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目に見えない相手 [高齢者]

 


 


「すべての人の社会」(2020年4月号)は日本障害者協議会発行の情報誌です。その「巻頭言 「安心」は分かち合える NPO法人日本障害者協議会理事 赤平 守」では、次のようなエピソードが紹介されています。


 


 「話は変わるが、プロ野球ロッテのドラフト1位ルーキー佐々木朗希投手は震災当日、陸前高田市で被災し、父と祖父、母を失った。そして当時9歳だった少年は9年後、プロ野球選手となり子どもたちの希望の存在となった。『今あることが当たり前じゃないと思ったので今という時間を昔よりも大切にするようになった』。18歳の少年に教わった気がした」


 


3.11から9年の歳月はひとりの剛速球投手を産み出しました。そして、教えられました。今という時間を大切にしているという若者は、デビュー前に新型コロナウイルスと遭遇した。  


私は9年間、なにほどか産み出したものがあるのだろうか。熊本地震や豪雨災害ということに遭遇しましたが、具体的になにひとつなしえませんでした。3.11の上に新型コロナウイルスが降り積もり、時が過ぎていくようです。


 


9年の間で私に分かったこと。お年寄りの病院として「老人科」を設ける必要性です。ただ、歳を重ねただけかもしれませんが。


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障害者就労政策の底浅さ [障害者自立支援法]

 


 


 障害者雇用で最近話題になったのが公務員の手帳のない人の雇用率カウントと知的障害者・精神障害者の雇用が進まないことです。根底には、雇用率偏重の障害者施策にあるとの指摘がありますが、同時に私には障害者に対する差別観があると思います。


 


中村敏彦氏は(JD理事 一般社団法人ゼンコロ会長)さらに障害者雇用政策の問題点として次のように指摘しています。


 


2003年の支援費(利用契約)制度導入の後、2006年には、多くの反対の声を他所に応益負担を強いた「障害者自立支援法」が施行されました。さらに、就労移行支援事業や就労継続支援事業などの就労系事業は、第2 種社会福祉事業に位置付けられ企業等も参入することが可能となりました。その結果、給付費等の福祉収入を営利目的にしたビジネスを生み、就労 継続支援A型事業所数は、2007年の148事業所から 2017年の3776事業所と、わずか10年で25倍に膨れ上がり2017年の給付費等から賃金を支払うことを禁止した基準省令改正により、就労継続支援A型事業所の閉鎖や障害者の大量解雇が相次ぎました。」(「すべての人の社会」2020年4月号 日本障害者協議会 一就労(問題)の変遷と今後一雇用・労働、就労の変遷と課題、そして、 これから)


 


 社会福祉事業の企業参入に慎重な意見を排除し、就労継続支援A型事業所での雇用増大を示して起きたかった政府の意図がもろくも崩れ去ってしまったのです。すべては机上の空論から産まれたのではないかと思わせる政策でした。就労継続支援B型の賃金が伸びないのに、税金を投入して「給付費等から賃金を支払うことを禁止」すると企業が撤退しています。この政策の過ちについて検証されたのでしょうか。


 


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熊本から4年目 [震災]

 



 



 



「コラム 花時計 2020/4/18   西日本新聞 ふくおか都市圏版 森 亮輔 」では熊本地震から4年目を迎えた今について述べています。



 



「ちょうど4年前の今頃だった。その夜、熊本県南阿蘇村から宿泊先の同県産山村へと、福岡ナンバーのレンタカーを走らせていた。道中、人けがない集落付近でパトカーを見掛けると、警察官に声を掛けられた。「何されてるんですか?」熊本地震の取材で福岡から来ている記者と説明すると、先方の表情から緊張感は消えた。家主が避難し、無人となった民家での空き巣が問題化していた。後に犯罪心理学の研究者らは、地震があった20164月の熊本県内での空き巣被害が、前年同期比で約3倍に増えたと報告している(以下略)」



 



こういう時に、空き巣などありえないと思っていましたが、実態は平時の3倍だという。



違う意味で熊本の記憶に残っている話。地震からひと月後くらいしてからと思いますが、震源地に近いところに住む知人に電話しました。忙しそうでした。ゆっくり話すこともなくという感じで終わったのには、被災者の心情を理解できないままでの話になっていたのだと反省しました。



 3.11もそうですが、熊本地震では、障害者・医療的ケアが必要な子ども・透析の必要な人たちのことなど幅広い分野の方たちの1年後の思い、教訓などが新聞掲載されました。そして、ウイルスと医療的な問題(透析など)が新しい問題として浮上するなどは昨年の暮れは想像もしませんでした。



 


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ひとり親家庭を直撃 [貧困]

 



 



「『お米買えない』シングルマザー窮地 休業、失業…補償頼れず2020/4/19 西日本新聞 」では、コロナショックの影響がひとり親家庭の暮らしを脅かしているという。



 



「勤務先の休業や雇い止めを受け、日々の食事すらままならない家庭も出始めている。生活困窮者らを支援するフードバンクの関係者からは、懸念する声が上がっている。



 「お金がなく、お米も買えない」。3月中旬、北九州市のシングルマザー(41)は区役所に駆け込み、泣きながら窮状を訴えた。



 コロナ感染が深刻化するまでは、身体障害がある長男(19)を市内の介護施設に預け、パーキングエリアの売店でパートをしていた。ところが3月以降、施設側から「感染の恐れがある」と預かりを拒否された。長男は手足が不自由で突然けいれんを起こすこともあるため、付きっきりの介護が必要。()自身は11食で済ませているという。(一部引用)



 



障害者を預かる施設側からの感染のおそれのあるからという理由を否定することもできない。こういう場合、臨時的に預かった施設に補助金の割り増しをするなどの措置は取れないものか。フライデーオーベーションという医療関係者に感謝する拍手だけでなく、危険と向かい合っている介護や障害者支援施設、保育士など多岐にわたっています。イギリスでは「キーパーソン」という形で援助をしているという。手当などで援助すねる側に加配すべきではないか。


母親の無理は健康に影響します。一時金だけでは先の見通しが開けません。フードバンクの支援だけでなく、他の機関の支援も必要ではないか。障害者相談機関・ひとり親相談機関など複数の支援が必要ではないか。

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自粛して [支え合う社会]

 



 



「『自粛して、つらいよ~』ヒット曲替え歌動画が話題に 2020/4/18西日本新聞」では次のようなことを紹介しています。 緊急事態宣言後、移動図書館も中止になり、「つらい日々」が続いています。



 



「『自粛して、自粛して、つらいよ~』。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛を求められる中、インターネット上に投稿された動画「自粛して」が話題となっている。



 ゴールデンボンバーのヒット曲「女々しくて」の替え歌で、福岡県志免町出身のシンガー・ソングライター、財部亮治さん(34)が配信。「鬱憤(うっぷん)がたまりすぎて」作ったというコミカルな歌詞が共感を呼び、ツイッターでの再生回数は数百万回に上る。(以下略)」



 



 自粛してという拘束感は強まるばかり。DVに向かう人も多いとか。また、10万円の支給で国籍を問わずというなら「日本から出ていけ」とネットで言われているという。外国人労働者に依存している産業の人たちはどう思うのでしょうか。高齢化社会です。社会の基盤を担う人たちが必要です。国籍を問うことでは国が立ち行かなくなっていくのではないか。



新聞にシングルマザー家庭の休業・失業し1日1食で過ごしているという家庭のことが取り上げられていました。助け合って生きていくしかない時代なのかもと思うのですが。


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10万円は申告制? [寛容な社会]

 



 



NHKニュースだったと思いますが、ケアラー連盟の調査として、介護をしている人がウイルスに感染したら誰が代わりをするのかという答えに「考えていない」みたいな回答が多かったように伝えられたように記憶しています。ネットで検索しても出てきません。ケアラーというのは「無償の介護労働」を指すと記憶していましたが、どうでしょうか。



例えば、医療的ケアが必要な障害児には付きっ切りの介護が必要ですが、どうしても役割としてお母さんが担っていることが多いそうです。国としての支援が求められます。



 



 ウイルスショックの話として、国は30万円給付の手直しで一律10万円という記者会見をしました。まだ、ヒト揺れありそうですが、財務省は反対のようです。希望者に支給せよという。テレビの街でのインタビューでは、うちは収入減にはなっていないので不要だという人もいました。国民が支援したいところに寄付するという文化が広がるきっかけになれば意義ある10万円になるかも。税金の支払いに使うという人も「そういう形で国庫に返す」という人も。



 もう一つ気になる動きですが、越境パチンコです。営業自粛の福岡県から熊本北部の店に客が流れているという。テレビではパチプロだからやめるわけにはいかないという声も。感染覚悟なのでしょうか。


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逆上がり・跳び箱ができない障害 [寛容な社会]

 



 



 精神科医で、てんかん治療でも著名な兼本浩祐氏の『発達障害の内側から見た世界』を読み始めました。冒頭部分しか読んでいないのですが、逆上がり・跳び箱ができなかったことと、発達障害の発達性強調運動障害のひとつの影響でもあったことに気付いたというのです。私も逆上がり・跳び箱ができなかったので、それだけでも共感でき、そのことが障害と関係している可能性があることを知り、幼少期を振り返りました。逆上がりは多くのクラスメイトができるようになり、放課後の鉄棒でひとり練習した光景が浮かんできます。跳び箱はなぜか忘れましたが、運動会では跳べたけど、それ以外ではほとんど跳べませんでした。日頃はどうせ跳べないとあきらめていました。運動会の時には何にも考えずに思いっきりやりました。跳べた時の感触を今でも覚えています。



本を読み始めた日に緊急事態宣言が全国対象になり、1人10万円の支給が具体化されつつあります。自治体からは歓迎の言葉もありますが、「朝礼暮改」だという声に真実味を感じました。西日本新聞の4月17日版は「コロナ対策政権迷走」とあり、その横に識者の談話の見出しが「国を頼らず長期戦覚悟を」とあり、仰天しました。識者に見出しの責任はないでしょう。発言の趣旨は、自治体は国の対策を待っているのかもしれないが、非常時であり、国は当てにならないという。こんな時に頼れない国とは存在価値があるだろうか。ドイツのメルケル首相は「困ったことがあれば連邦政府に連絡を」という意味の演説をしています。わが国には魂がないのでしょうか。


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「『老年症候群』の診察室」を読む [読書]

 


 


「老年症候群」の診察室 超高齢社会を生きる (朝日選書)

「老年症候群」の診察室 超高齢社会を生きる (朝日選書)

  • 作者: 大蔵 暢
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/08/09
  • メディア: 単行本



 著者は「老年科医」の大蔵暢氏です。お年寄りはいくつかの病院にかかることが多い。それは、内科・胃腸科・整形外科・脳外科・リハビリテーション・精神科など部位ごとに違う病院に行かなくちゃなりません。それを「老年」という括りでひとつにまとめようという意図だと思います。患者さんにはとても助かります。


 そのなかで、新聞の投書などにみられるようになった4月から始まる予定の今でいう「フレイル(虚弱化)健診」について触れられています。2013年初版の本なので先駆的だと思います。


 


「なぜ虚弱化が悪いのかというと、弱々しくなることで新たな病気にかかりやすくなったり、もっと転びやすくなったり、身の回りのことができなくなったり、死亡したりといった健康上の悪いイベントをますます引き起こしやすくなるからです。図に示すように高齢者の虚弱化の しくみは非常に複雑なので、例えば病気の予防や治療などの一つの要因だけに対応しても全体の虚弱化の進行を止めることは難しいのです」



 


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国家としての器 [政治]

 



 



「コラム 提論 【新型コロナと国家】 姜 尚中(カン・サンジュン)さん=熊本県立劇場館長2020/4/6 西日本新聞 」では、次のような指摘がありました。諸外国の動きを紹介した後に、次のような提案というか注文をしています。



 



「そして日本はどうか? 国家を担うパワーエリートが自らの出処進退、責任を懸けて強制力を伴う非常権限を行使することに尻込みし、他方で「お願い」「要請」という形での「忖度(そんたく)政治」を押し付けている。あいまいな対応を見るにつけ、無責任体制のまま、事態がずるずるとより深刻化していくことにならないか、懸念は尽きない。



 今必要なのはドイツに見られるような「強い国家」と「強い社会」の組み合わせであり、あいまいな「忖度政治」からの決別である」



 



 困難な時代には「強力なリーダーシップ」が期待されますが、反面危険性もあります。日本では、担当大臣が経済担当の人です。国の浮沈が係る危機なのにどういうことでしょうか。



しかし、テレビでドイツのメルケル首相は「困ったことがあったら連邦政府に頼ってください」という意味の演説をしていました。心配事を引き受けますよというメッセージのように聞こえました。休業補償資金確保に動くべき大臣がウイルス対策担当大臣の大臣では。ドイツの国民が賢明な選択をしたということでしょうか


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「バッターがいない」   [寛容な社会]

 

「自粛」という名の規制に翻弄されて精神構造が傷み始めているようだ。政権の失政を非難する発言があるが、集団の声が聞こえてこないのだ。自粛という名の規制もあるようだが、集団の力がなくなりつつあるのかもしれません。ネットでの真っ当な意見でもそこで立ち消えているようだ。作家 池澤夏樹氏は次のように述べています。

 

「もともと作家はテレワークが本来の姿である。世界のどこにいても執筆はできる1人に会っての打ち合わせだって最小限ですませられる。だからこの事態の影響も少ないはずなのに、なんとも働く意欲が湧かない。ピッチャーとしてマウンドに立ってボールを投げようとしても18メートル先にバッターはいない」(新型コロナと文明 会うことを奪われる苦悩 作家 池澤夏樹 西日本新聞4月12日)

 

 テレビの「笑点」では無観客からスタッフのみの形式になりましたが、「バッター」がいない感は否めません。台湾のプロ野球は無観客でスタートしたというが、翼をもぎとられた雰囲気がありました。池澤氏の一文は次のように終ります。

 

「人間が生きる意味どこにあるのか?今、我々の前にあるのはそこまで根源的な問いである。志村けんが笑わせてくれる時代は終わった。これからしばらくは彼がいないところで笑うことなく生きなければならない」

 

 志村けんさんが残してくれた人間的な香りがなつかしい。仕事は休め・補償はしないという理屈がまかり通る社会なのか。

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