インフラの整備はどうか [震災]
新聞のコラムからです。
「デスク日記 2020/7/28 西日本新聞 社会面 田中 良治
天気予報で古里の鹿児島が豪雨になりそうな日は、実家に電話をかけ避難を促している。小学生だった35年前、台風による大雨のため、集落で土砂崩れが起きた時の恐怖が忘れられないからだ。近年、豪雨災害が頻発していることもあり、70代の両親はこまめに避難してくれていた。
だが、94歳の祖母と暮らし始めた今年は「そう簡単に何度も動けない」という。足腰が弱く、寝て過ごす時間が長い祖母には、ちょっとした移動も大きな負担だ。両親は「台風はある程度動きが予測できるけど、最近の天気は分かりにくい」とこぼす。
7月初旬からの記録的豪雨では、多くのお年寄りが犠牲となった。(以下略)」
たしかに、最近の天気は分かりにくい。降る量がハンパじゃない。私たち年寄りが経験したことがないものになっている。例えば、竜巻情報です。いつ頃から竜巻情報が始まったのか知りませんが、警報が出たからといってどうしようというのだろうか。不安だけのお知らせです。仕方がないといえばそうですが。
温暖化対策は遅れていて、自国ファーストとなれば、温暖化は進む。豪雨は年々歳々激しくなるのではないか。せめて、気象観測機材の整備ぐらいには惜しまないで欲しい。
熊本から4年目 [震災]
「コラム 花時計 2020/4/18 西日本新聞 ふくおか都市圏版 森 亮輔 」では熊本地震から4年目を迎えた今について述べています。
「ちょうど4年前の今頃だった。その夜、熊本県南阿蘇村から宿泊先の同県産山村へと、福岡ナンバーのレンタカーを走らせていた。道中、人けがない集落付近でパトカーを見掛けると、警察官に声を掛けられた。「何されてるんですか?」▼熊本地震の取材で福岡から来ている記者と説明すると、先方の表情から緊張感は消えた。家主が避難し、無人となった民家での空き巣が問題化していた。後に犯罪心理学の研究者らは、地震があった2016年4月の熊本県内での空き巣被害が、前年同期比で約3倍に増えたと報告している(以下略)」
こういう時に、空き巣などありえないと思っていましたが、実態は平時の3倍だという。
違う意味で熊本の記憶に残っている話。地震からひと月後くらいしてからと思いますが、震源地に近いところに住む知人に電話しました。忙しそうでした。ゆっくり話すこともなくという感じで終わったのには、被災者の心情を理解できないままでの話になっていたのだと反省しました。
3.11もそうですが、熊本地震では、障害者・医療的ケアが必要な子ども・透析の必要な人たちのことなど幅広い分野の方たちの1年後の思い、教訓などが新聞掲載されました。そして、ウイルスと医療的な問題(透析など)が新しい問題として浮上するなどは昨年の暮れは想像もしませんでした。
気になっていること [震災]
東日本大震災追悼行事の政府主催が10年で打ち切られるという。経費でいったら大した額ではないだろうから、10年間で区切られるというのに時期尚早という感じがします。追加の報道がなされないので反対の声は出てこないのだろうか。先日の阪神淡路大震災の追悼日には、まだ傷の癒えぬ人たちもいました。25年という時を経てもです。忘れがたい悲しみが伝えられていく意味でも続けてもらいたい。
次に気になること。
「記者コラム2020/1/22西日本新聞 ふくおか都市圏版 豊福 幸子
知人の子息が郵便局に勤めだした約10年前から、年賀状は彼を通じて購入してきた。営業目標があるのは聞いていた。注文した年賀状は毎年、お礼の日用品とともに届く。ちょっとした心遣いがうれしい▼かんぽ生命保険の不正問題に揺れる日本郵政グループ。高齢者を欺く手口や、顧客の不利益になる契約実態が明るみに出た。厳しいノルマが背景とされるが、彼も苦しんできたのだろうか。想像すると、切ない(以下略)」
ノルマに苦しんだ労働者がいたと思う。それにしても、退陣した社長が「報告が上がってこなかった」と責任を部下に転嫁していたのには、天下り官僚のひどさを感じました。働く人が誇りを持てるような職場づくりをしてもらいたい。
時代が変われば [震災]
テレビで「はさがけ」の作業を続けるお年寄りの話題を伝えていました。地方によって呼び方が多いと書かれていますが、筑後の田舎ではなんと呼んでいたか忘れました。電子辞書では出てきません。ネットで検索したら次のような説明が・・。
「はさがけとは - Weblio辞書
稲木(はさがけ から転送)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/19 17:43 UTC 版)
稲木(いなぎ、いなき、いのき)とは、イネなどの穀物や野菜を刈り取った後に束ねて天日に干せるよう、木材や竹などで柱を作り、横木を何本か掛けて作ったもの。横木は最下段でも作物が地面につかない程度の高さになっている(以下略)」
これを書いている朝はこの秋最も冷え込んでいるという。稲刈り後のたんぼの冷え込みのイメージが強く残っています。はさがけも農機具の導入で消えたのでしょうか。下記のコラムによれば台風という用語は戦後一般化したのだという。
台風が江戸を直撃したことが少なかったのかどうか分かりませんが、最近でも少なかったように思います。油断した知事にも経験がなかったのかもしれません。ですが、九州でも豪雨の災害が続いています。気候が変わっている実感がします。竜巻の多さも恐怖です。竜巻警報が出ても注意のしようがありません。温暖化対策の遅れは致命傷になりかねません。
「コラム 春秋 2019/11/12西日本新聞
世の中で恐ろしいものと言えば「地震、雷、火事、おやじ」。この例え話は江戸時代から伝わる。現代では、おやじの威厳に?が付くが、そもそもの疑問もある。なぜこの中に台風が入っていないのか
▼古来、台風禍はあっても、江戸を直撃することはまれだったのか。それとも風雨は今ほど強くなかったのか。理由は定かではないが、ネット上ではこんな俗説も
▼かつて日本では山から吹き下ろす強風を「やまじ」「おおやまじ」などと呼んだ。それがなまったのではないか-。つまり、おやじ=台風。確たる根拠はない(以下略)」
ボランティアも大事だが [震災]
被災地で活躍されているボラティアのみなさんは頭が下がります。つぎのようなコラムに感銘しました。
「コラム 春秋 2019/10/24 西日本新聞 オピニオン面
台風19号の被災地に多くのボランティアの姿がある。何か手伝いたくて夜行バスに飛び乗ったという関西の女性。泥だらけになって家具を運び出す高校生たち。あの時の恩返しにと、以前被災した地域の人たちが炊き出しを
▼災害相次ぐこの国だけど、そのたびにあふれる善意を目にすると、この国も悪くないなと思える。いや、この国の人々だけではない
▼ラグビーW杯に出場したカナダ代表は、岩手県釜石市での最終戦が台風で中止となり、戦わずして最下位が決定。だが、選手たちは釜石に残り、冠水した地域で泥を取り除く清掃活動で別の汗を流してくれた。被災地支援は「ラグビー以上の価値がある」とつづったカナダ代表公式ツイッターにほろりとした(以下略)」
ボラティアそしてカナダ代表の行為の尊さは皆で感謝したいと思いますが、これだけ災害が続くとすれば新たな対応策が求められているのではないか。災害支援の専門組織が必要なのではないか。いつ被災者になるかもしれない状況に安心して暮らしてはいけない。自衛隊の一部を切り離して災害専門の組織にすることも含めて対応しなければならない。温暖化による災害の規模と質が変化していることを前提にした国家プロジェクトを立ち上げてもらいたい。例えば、竜巻が増えています。しかし、竜巻警報が出たとして国民はどうしようもありません。竜巻の予報の仕組みを研究することも大事だと思う。過去の災害時の洪水の記録などの整備なども必要でしょう。福祉避難所の整備も大切です。
舞台は [震災]
18歳へのエールです。
「(声)舞台は私たちの出番待っている 42歳 2019年3月10日朝日新聞
「夢諦めずに切り開く私の未来」(2月11日)を書いた18歳のあなたへ。私は2年前、あなたの文章を読み、エールを込めた投稿を載せて頂いた長野の者です。お久しぶりです。
4月から公務員になる道が決まったのですね。働きながら夜間大学に通い、演劇の夢も諦めないと決めたあなた、とても素敵です。
私もいつか大きな舞台でという夢があり、1
5年歌い続けてきました。良い時ばかりでなく、悔しい時も悲しい時も、自分を見失いくじける時もありました。
あなたもこれから、いろいろとつらいことに直面するかもしれません。でも、怒って泣いて、苦しんだ分、強く優しく成長していくはずです。そして、眠って食べて、また笑って歩き出せばよいと思います。(以下略)」
被災地福島で柳美里さんが高校生と震災体験をもとにした創作劇のドキュメンタリーをテレビで観ました。変化していく高校生の姿と柳美里さんの関りに感銘を受けました。
スーパー台風が [震災]
今年の夏は酷暑でしたし、台風も多かった。9月以降、何をするにしても疲れやすく、力が入らない日々を今も過ごしています。今夏のような天候が続く見た方がよいようです。高潮の被害も想定を変える必要がありそうです。
「名古屋は有名な一九五九年九月の伊勢湾台風の高潮で大被害をうけた。伊勢湾台風に よる死者・行方不明者は五O九八人。伊勢湾台風は上陸時の中心気圧が九二九ヘクトパ スカル。七五メートルという驚異的な最大風速で、名古屋へ向かってきた。名古屋港で の潮位は観測史上最大の海抜三・八九メートルまで上昇。名古屋のゼロメートル地帯も の浸水の深さは五メートルに達し、名古屋港にあった材木が流木となって、住宅や人畜 に襲い掛かり、被害を拡大した。
伊勢湾台風のあと、防潮堤整備の予算が増やされたこともあり、高潮被害は減った。しかし、高潮被害は過去のものではない。気象シミュレーションに詳しい坪木和久・名古屋大学教授は、地球温暖化を想定すれば、六O年後には、現在の四倍の数のスーパー台風が、日本に上陸する可能性を指摘している。長い時間でみると、高潮は信じられない高さで大都市を襲っている。」(『天災から日本史を読みなおす』)
「自転車で逃げろ!」 [震災]
先日の「報道特集」で「検証!南海トラフ地震の臨時情報」で取り上げていました。避難情報とは違うようです。気象庁のHPでは臨時情報を出すのは次のような時にと説明されています
「•南海トラフ沿いで異常な現象(※1)が観測され、その現象が南海トラフ地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合
•観測された現象を調査した結果、南海トラフ地震発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと評価された場合
•観測された現象を調査した結果、南海トラフ地震発生の可能性が相対的に高まった状態ではないと評価された場合」
次のコラムは、津波から逃げる方法としての自転車避難の話です。
「コラム 風向計
「自転車で逃げろ!」といっても、もちろん警察からではない。津波からだ。
昨年施行された自転車活用推進法の目的には、環境への負荷低減と並んで、災害時における交通機能の維持が掲げられている。
避難手段が車に集中すれば、渋滞や事故が多発する恐れがある。では、自転車を使うと、どれほど効果があるのか-。先日、東京大大学院(都市工学専攻)にユニークな修士論文が提出された。
筆者は「自転車ツーキニスト」を名乗り、都市交通への様々な自転車活用策を提言している宮崎県出身のテレビプロデューサー疋田智さん。
宮崎のある地区が南海トラフ地震の津波に襲われたという設定で仮想実験を行った。
車と徒歩による避難が大半を占めた東日本大震災のケースをAパターンとする。これに対し、避難手段を車・徒歩・自転車に均等に割り振ったBパターンは、逃げ遅れ人数が大幅に減少した。
電動アシスト自転車を加えると効果はさらに上がる。
リミッターで補助力が制限されている国内の電動アシスト車に比べ、欧州型はよりパワーがある。これを一部導入し、徒歩・車・自転車に日欧両型の電動アシスト車を加えて避難手段を計5種とし、それらを均等に使って避難するCパターンなら、逃げ遅れ人数はAの約3分の1程度に激減したという。
仮想実験を踏まえ、疋田さんが提案するのは、中央制御でリミッターを外せる電動アシスト車のシェアリングだ。リミッターを外すと車体からサイレンが鳴る仕組みにすれば、避難しながら「走る警報装置」の役割も果たす。
実現にはクリアすべき課題は多いが、検討に値するアイデアでは?(以下略)=2018/10/10付 西日本新聞朝刊=」
被災者名簿は [震災]
「ニュース川柳
・1強はブレーキなしの暴走車
・参議院不要の説もある中で
・よくもまあカジノ6増自民亭
・選良にギャンブル好きが多いとは 」(2018年7月25日西日本新聞)
私も違和感をもった報道でした。
「コラム 花時計
先日、あるテレビの報道番組を見ていて強い違和感を覚えた。西日本豪雨で被災した岡山県で、 県が発表した安否不明者 リストに入っていた女性が「不明者として新聞に名前が載り、周囲から心配されて迷惑だった」と話し、番組側が「(行政の)公表の在り方に疑問が出ている」と結んでいた▽熊本地震や九州豪雨を取材した際、自治体が まとめた安否不明者の数 が、翌日に激減することは珍しくなかった。実名を公表したことで本人や 家族と連絡が取れ、無事 だと分かったからだ▽匿名のままでは誰が不明で誰が無事なのか、最も重要なニュースが隠れてしまう。人の命を左右する災害情報ではプライバシーに慎重な姿勢は必要であっても、行政側の発表を萎縮させるような批判はいかがなものかと思う。(押川知美)」(同前)
不明者リストに入っていた女性が語っていたのは事実だとしても果たしてそういうものなのかと思いました。電話で安否確認が取れなかったりしますので「不明者」が増え、ひと晩は心配したりすることがあるかもしれません。ですが、安否不明のリストを出さないという選択肢があるのでしょうか、
遍路道も [震災]
「ニュース川柳
・「どちらとも言えない」日本の民主主義
・支持率はもう下がらぬと高括り
・現代の蟹工船か派遣切り
・巨人軍盟主の旗も色が褪せ」(2018年7月23日西日本新聞)
被災地にはそれぞれの歴史があると思いますが、その地を想像するのは容易なことではないですね。
「(ひととき)お遍路、あの四国が… 2018年7月25日朝日新聞
ここ最近、新聞、テレビのニュースを見る度に心が痛みます。西日本を襲った豪雨の災害です。お遍路でまわった愛媛、高知の変わり果てた地形を目にするとつらいです。
6月中旬、私は15日間の四国遍路を終えて帰宅しました。50代から80代の25人の団体に参加しました。梅雨時でしたが、たいした雨にあうこともなく八十八カ所を全員が無事にお参りし、戻ったばかりです。
四国の人々の優しさと、初夏の緑に満足して帰りました。私は60歳から遍路を始め今回は4度目となります。バスの移動ですが、お寺は山の上が多いのです。何段もの階段を上がり坂を上りました。私には厳しい所も多々ありました。以前には合掌しながらも願い事がたくさんありました。今回は少し違い、四国へ来られたことへの感謝でした。(以下略)(千葉県 主婦 78歳)」
私などは高齢者でもあり、生活再建の意欲がなくならないかと心配します。先日、筑後平野で竜巻があり、ハウス栽培が被害に遭ったという。再建に意欲を見せる持ち主にテレビの前で拍手しました。いつ自分に降りかかるかもしれない災害。温暖化の影響を強く感じます。
それにしても、自民党議員が災害時に宴会をし、SNSにアップするというのはどういう神経なのか。