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「一軒家」の問いかけ  [高齢者]

「一軒家」の問いかけ    下川悦治

 

「秋の風

 

 若者たちのほとんどが

 出ていってしまったあとの

 わびしい山村、離島にも

秋は深まっていく

 

出ていくものがどうしても持ってゆけなかった

多くのもの それは

先祖以来の古いしきたりだけではない

めぐってくる故郷の季節  (以下略)」

 

「定本 黒田三郎」のなかの「十一月」からの引用です。若い時に購入し積読していたものです。「出ていくものがどうしても持ってゆけなかった」ものを垣間見るのがテレビ番組「ポツンと一軒家」です。林業など生業がたちゆかなくなり、出ていった人たちもいますが、リタイア後故郷に戻ってきた人もいます。多くは跡を継ぐ者さえ分からないのに先祖からの「遺産」を耕し続ける人もいます。番組としては、狭い道路や舗装していない道路が強調され、わざとらしくも見えるのが難点だという人もいます。それでも、大河ドラマや「世界の果てまでイッテQ!」の時間帯に高視聴率を得ているという。支持される理由としては、私たちの世代では「捨ててきた?田舎への郷愁・寂しさ」それと「申し訳なさ」が募るのではないかと思いました。一軒家に近い集落の人たちがこの番組をよく見ているのと道案内をしてくれるのにも感心します。なにより都会とは異なるのは一軒家には仕事がある。多くは農業だが、竹細工や炭焼きなどと新しい入植者の持ち込む仕事がある。手を伸ばせば仕事がある安心感は大きい。

「福岡詩人会議 筑紫野 152号より」 

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