想像力というが [平和]
今年の原爆忌でもテレビと地域のサイレンに合わせて祈るだけでした。核兵器禁止条約の署名・批准を求める声が相次いだのに・・・。過日の朝刊に次期アメリカ大統領に何を期待しますかというのに「拉致」問題というのがありました。違和感がありました。拉致は日本の問題ではないか。アメリカの応援をという意味でしょうが・・・。
話は変わりますが・・・
「コラム デスク日記 2020/11/10西日本新聞 社会面 河野 潤一郎
すごい女子高校生がいるのだなと感心した。佐賀県鹿島市の鹿島高校2年、川崎花笑(はなえ)さん(16)は、10月24日に高校近くの慰霊碑前で開かれた戦没者追悼会を企画した。
彼女は今夏、高校生平和大使に選ばれたが、コロナ禍で街頭署名ができず、身近な戦争被害を調べた。高校の記念誌を読んで戦時中の学徒動員先で空襲などの犠牲になった先輩たちのことを知り、27年も途絶えていた追悼会を開くことを決意した(以下略)」
「平和の誓い」全文
https://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/region/nishinippon-1000657665.html
10名の先輩女学生の死亡を知り追悼式典を開くことにしたのか。稀有な感性と真摯さで現実とふれあい、そこから平和の誓いを固めていったかが分かります。ひとつの伝承の歩みが他の地域で花開くことを願います。戦争体験者が少なくなっていくむ必然の中での在り方に対する貴重な事例だと思います。
誓いの初めの方に「ささやかな小さな会ではございますが、この会を挙行できますことを心からうれしく感じます。戦没者のみ霊に深く祈りをささげます」と述べています。学徒動員で特攻機の部品作りや修理などをしていたという。75年前とは私の人生とほぼ同じです。想像力の差でしょうか。
歴史を記録する活動 [歴史]
琴奨菊関の十両からの出発について以前書きましたが、福岡県出身の松鳳山関のこともふれておきたい。元気のよい相撲が特徴ですが、今場所は十両からの再出発です。初日は勝ちましたが、勝ち越して幕ノ内に復帰して欲しい。
こんな記事がありました。
「肥前・筑前街道の魅力知って 保存団体が案内表示板設置 那珂川市2020/11/8
西日本新聞 社会面 上野 洋光
文化庁の「歴史の道百選」に選ばれている肥前・筑前街道の保存整備に取り組む福岡県那珂川市の市民団体が街道沿いに案内表示板を取り付けた。
平安時代に造られた街道は、博多から佐賀・神埼に向かうのが肥前街道、神埼から那珂川市に向かうのが筑前街道と呼ぶ。那珂川市の5団体は2年前から市内の約1・5キロで倒木の片付けや草刈り、石畳の補修などを行ってきた(以下略)」
そして11月の案内表示板を設置して完了するそうです。地道ですが大切な活動だと思います。2018年10月1日に那珂川町から市に移行したばかりです。私の手元には「那珂川町の『歴史を学ぶ会』」の「さいふまいりの道」という労作があります。太宰府天満宮の天神信仰でお参りに行くルートの調査結果です。私の住むかつてのニュータウンにもさいふまいりの道があり、枝垂桜が残っているという。確認した記憶があります。今では場違いな桜ですが歴史を感じる桜になりました。今は残っているか確認していませんが。
ネーミングバラエティ [テレビ]
新聞のコラムからです。
「コラム デスク日記 2020/11/2 西日本新聞 伊藤 完司
「活字とは違った迫力を感じてほしい」。北九州市の松本清張記念館で代表作「点と線」の直筆原稿を一挙に公開する企画展が開催中という本紙地方版の記事に興味を引かれ、記念館に足を運んだ。
市販の原稿用紙に大ぶりで読みやすい字が並ぶ。続編の「時間の習俗」にも登場する福岡署の刑事の名前は「妹尾」と書いた後、二重線で消し、「鳥飼」としている。随所に推敲(すいこう)の跡が見られる(以下略)」
活字とは違う生原稿の迫力に刺激されたという。私は、「妹尾」と「鳥飼」という苗字に作者の思いを想像してみました。鳥飼という地名が福岡市にあります。他にもあると思いますが、地名と苗字が深く関係していると「ネーミングバラエティ日本人のおなまえ!」で知りました。名前だけでどくのくらい番組が続くのかと心配しましたが、番組は2017年に始まったそうですから調査力の賜物だと思います。それにしても多種多様な名前があるのですね。松本清張氏は何を思って名前を決めたか興味が広がりました。今読んでいる小説の主人公は馬締(まじめ)で真面目な人です。
伝えること [平和]
大相撲九州場所のはずの東京場所が8日に始まりました。正代関が大関になってどんな活躍してくれるのか。かつての大関であった琴奨菊関が十両でどんな意地を示すのかと思っていたら、2横綱の休場だという。横綱の誕生の難しさを感じました。最近注目しているのは琴奨菊関が所属する佐渡ヶ嶽部屋の力士たちです。幕内に数人の力士が次々と出てくるのに部屋の雰囲気を想像しています。若手が琴奨菊関のがんばりをどう見ているか。楽しみです。
話は変わります。
西鉄大牟田線の筑紫駅の空襲で亡くなられた方の話は15年ほど前の新聞で知りました。想像もできないほど小さな駅でした。今の筑紫駅の西側の公民館があり、隣り合うように保存されていました。今は少し移動しています。その後、近くに史跡が発掘された折りに見ましたが、コンクリートの建物に保存されていました。銃弾が貫通した痕があります。
「コラム 春秋 2020/11/6西日本新聞」からです。
「この夏、東海テレビ(名古屋市)の若い記者が75回目の終戦の日の企画で、護国神社の参拝者に片っ端からインタビューした。そこから偶然が重なり、ある軍人の九州での死の全貌にたどり着いた
▼ジャーナリスト大谷昭宏さんから伺った話。「戦争の記憶が風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」と水を向けられ調べてみた
▼番組には「父は福岡で終戦1週間前、米軍の空襲で戦死した」と語る男性が登場。ネットのニュース映像を偶然見た人が福岡県筑紫野市役所の草場啓一さんに連絡した。「あなたが追うあの事件の関係者では」
▼1945年8月8日の「西鉄筑紫駅列車銃撃事件」。旧筑紫駅で満員の上下2列車が米軍機の機銃掃射を受けた。犠牲者名簿は現存せず、草場さんは死者100人以上とみて調査を続けている(以下略)」
休みはいいが [街で]
テレビは大統領選の混乱はとても民主主義の国とは思えない混乱ぶりです。アメリカを知ろうと『沈みゆくアメリカ覇権』という本を読みました。そして見落としていたものがありそうです。帯に「日本は永久にアメリカのATMとなる」のだという。
間もなく年末です。
「コラム 春秋 2020/11/4西日本新聞
春の大型連休、夏の盆休みはいずれもやむなく自粛した。けれども、正月くらいは肉親や旧友らとゆっくり再会したい。そんな思いに駆られる人は多いだろう
▼古里への帰省。目下のコロナ禍で中央と地方の人の往来は急減した。いまだ感染者増が目立つ東京では少し悲しい話も飛び交う。『帰りたいけど、実家から無理に帰ってこなくていいと言われて…』」(以下略)」
今年は動かぬ方が良いのかもしれませんが、そんなこと言えるのは「毎日が日曜日」の身分だからかもしれません。
年末と言えば来年度の予算です。国の話は公助の削減の話ばかり。地方では「中学生通院費月上限500円に 福岡市、助成拡充へ 21年7月導入めど2020年11月5日西日本新聞」や障害者就労支援施設の売り上げ減に対して値引きなどきめ細かな福岡市の報道が続いています。政令市の福岡市に隣接する我が家の声は「福岡市に差をつけられるだけ」という。
存在感なき県庁。最近似たような話で住民投票があった大阪府。厳密にはいろいろ違いがあるのだと思いますが、住むところの違いで格差があるというのも・・・。
東急ハンズがやってきた [作業所]
西日本新聞の「コラム 気流」(2020年11月5日)によると今月20日に宮崎市にオープンするという。「数十年前に大阪・吹田で初めて訪れて、その洗練された品ぞろえに感激」したとありました。私が最初に利用したのは牛乳パックからハガキをつくる仕事の道具でした。東急ハンズで購入したという事で上京したおりに渋谷店に行きました。初めてのことで店員さんに尋ねました。3フロアぐらい上がったところまで案内してもらいました。その頃、障がい者施設で働いていたので使っている道具を持参していました。ところが紙漉き道具の品物の豊富さに驚きました。決して利益が上がる道具ではないと思いました。その後、
九州1号店が博多駅にオープンしたのが2011年でした。オープンの日に行きました。その後、施設の現場から離れましたので関係はなくなりましたが、渋谷店の印象は今も残っています。
福岡市では、コロナ禍で売り上げが減っている障がい者就労支援施設の値引きセールの補助をすると言う。応援してもらいたい。
『蜩ノ記』を読む途中 [医療]
「断捨離」のつもりで処分する前にもう一度読んでみたいという本を開いています。今は葉室麟著『蜩ノ記』文庫版を読んでいます。藩の歴史を調査し、記録として残す仕事を10年でやりとげ、10年目がきたら切腹を銘じられている武士の話です。400ページという長編です。なかなか先に進みませんが、面白いです。
現代では死はあきらめることでしょうか。そんな問いかけをしたくなる記事がありました。
「『もう死ぬから』自暴自棄も…コロナで苦境、受診「困難」255人2020/10/31 西日本新聞
新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮し、医療機関の受診に困難を伴う患者が37都道府県で少なくとも255人に上ることが30日、全日本民主医療機関連合会(民医連・東京)の実態調査で判明した。うち66人は受診を控え、23人は症状が悪化。民医連は「把握できているのは氷山の一角にすぎない」と警鐘を鳴らしている。(以下略)」
大統領選報道は [ジャーナリズム]
朝方のニュース報道、昼の時間帯そして夕方の報道と1日中続きます。俳優の交通事故とアメリカの大統領選を延々と繰り返し流しています。学術会議のことなど厄介な問題は避けるように。SNSでは、大統領選は日本の選挙かと思うほど取り上げているとSNSで揶揄されていました。アメリカの大統領選が経済にもたらす影響はありますが、取り上げる時間の長さは異様です。そして候補者の相手に対する罵り合いは見るに堪えません。特に、現職がひどかったが。
だが、『沈みゆくアメリカ覇権』で中林美恵子氏は別の動きを紹介しています。
「民主党は今後、さらにリベラルに変質する可能性を秘めている。民主党支持者の中でも特にZ世代と呼ばれる1997年以降に生れた若いアメリカ人が政党の方向性に大きな影響を及ぼす可能性があるからだ。(略)
政策的な特徴としては教育格差の問題や気候変動、および社会保障、銃規制などに大きな関心を示し、SNSなどを駆使して社会運動やデモに参加する傾向が強い」という。
日本の若者に対するメッセージだと思いました。
薬害への関心 [医療]
11月1日に薬害問題のインターネットでの無料のLIVE配信があるとの情報をいただいたのでZoomを初めて利用させてもらいました。主にシンポジウムを聞いたのですが、臨場感あり、便利な世の中になったと思いました。新型ウィルス対策としてのワクチン開発競争に巻き込まれているのではないかとの指摘に薬害の不安があります。薬害が起きても製薬会社の補償はないよという話が出ているという話には驚きがありますが、政治的利用に対する企業としての防衛の面もあるのではないかとも思う。
「デスク日記 2020/11/1 西日本新聞 社会面 井上 真由美
病院の臨床試験(治験)の審査委員を務めている。月1回、医師や薬剤師ら関係する多くの職種の人が集まって議論。計画からの逸脱や異変は細かく報告され、患者への説明文書はリスクも明確に伝わるよう精査する。治験とは、患者の協力を得て効果や副作用を確かめる実験の面が否めない。安全を最優先する責任の重さを痛感している。(略)
感染蔓延(まんえん)を防ぐため、ワクチンや特効薬の開発は急務。かといって安全が置き去りにされては意味がない。危機感だけにあおられるような現状が危なっかしくて仕方ない」
ワクチンが大切なのは分かるが政治家の競争になってはならないのではないか。ヨーロッパで第2波の広がりに危機感が広がっています。安全面が横に置かれる危険性はありそうで気になります。
争点が何か [政治]
秋の時間が短いように思います。朝の冷え込みは厳しいですが寒がりの感じ方です。
TBSの「報道特集」でも10月31日に大統領選挙のことを取り上げていましたが、移民・コロナ禍の対応・人種問題などが取り上げられましたが、格差問題は簡潔にふれられていたと思います。高齢者・障害のある人の支援策は厳しいようです。アメリカ自体が混迷に陥っているように思いました。貧困層に厳しい施策が待ち受けているのに声が聞こえてきません。アメリカ自体が混迷の中にあるようです。日本も強く影響を受けているのでないかと思います。
「またかつてフードスタンプといわれたアメリカの補足栄養補助プログラム が今後10年間で約30%削減されることについても危惧の声が上げている。トランプ大統領の予算教書中には、数々の高齢者支援プログラムが予算削減の対象となっており、富裕層や収益性の高い企業には利益をもたらすものの、一般の高齢者にとっては厳しい現状が突きつけられるという。また、社会保障傷害保険や所得補償保険、メディケイド、食料援助、 住宅パウチャl―も大幅に削減することが意図されており、障がいを持つ人々の打撃が大きいと訴える。」(『沈みゆくアメリカ覇権』中林美恵子)
最近、アメリカの障害のある人の事情は日本でも取り上げられることが少ないようです。
年寄りの涙腺も [社会]
新聞の読者からの意見などの窓口欄に、ホークスの内川選手をなぜ1軍に上げないのかという意見が寄せられていたという。12連勝する前のチームが低迷したときの話です。若返りとはいえ多くの人が感じたことだと思います。だが、退団がはっきりするまでは報道されなかったと思います。世代交代は大事ですが、功労者への敬意に欠けるように思いました。テレビ局もこの話題は避けているようでした。
話は変わりまして朝ドラの話です。
「コラム 春秋 2020/10/30西日本新聞
先週末、朝のテレビから「長崎の鐘」が流れてきた。古関裕而をモデルにしたNHKの連続ドラマだ。作曲を依頼された主人公は、着想を求めて原爆の傷痕が残る長崎を訪ねる
▼実際の「長崎の鐘」は、被爆者の救護活動を続けた永井隆医師が、やけどに苦しみ死んでいく人々や破壊された街の様子を記録した随筆を基に作られた。ドラマでは、永井がモデルの医師が主人公にこんな言葉を託す
▼「どん底に大地あり」。絶望の底に突き落とされても、大地を踏みしめて立ち上がれば、希望が見えてくる。廃虚の中から掘り起こされた鐘が、再び鳴り響くように-。(以下略)」
分かっていたストーリーだが年寄りの涙腺も緩んだまま・・・。放送の直後、核兵器禁止条約が発効することになりました。被爆から75年経ったとはいえ関係者の努力には頭が下がります。しかし、被爆国政府は核の傘にはいっていることが現実的だとしています。
「86万ショック」? [生活]
「コラム 春秋 2020/10/28 西日本新聞」からです。「86万ショック」と言われる出生数のことです。
「▼例えば、生まれる子どもの数(出生数)。今年は統計開始以来最少だった昨年の86万5千人よりさらに減って84万人前後にとどまる見通し。少子化の加速を「86万ショック」と表現してきた政府にとって2年続きのショックだ
▼昨年の「令和婚ブーム」の余勢で、今年は婚姻、出産ともに増加が期待されていた。それがコロナ禍で暗転。1~8月の人口動態統計速報値によると、婚姻は前年同期比5万3千件減、出生は同1万4千人減と低調だ (一部引用)」
「超ソロ社会 『独身大国・日本』の衝撃」(PHP新書)によれば「2035年、日本の人口の半分は独身者」だという。その背景のひとつに雇用環境の悪化があると思う。もちろん、高齢化社会の影響もあります。非正規雇用で企業は収益の向上を図ることができました。その向上した分を保育所の整備や保育士の待遇改善などにあてる企業の増税があるべきでした。消費税増税で貧困層の負担は高いのに、コロナ禍にあっても減税の話が出てきません。これは経済政策の行き詰まりを示しているのではないかと思うが、どうでしょうか。
合理的配慮の問題では? [障がい者問題]
「論説 障害者の交通問題 心のバリアフリー大切に 10/26 佐賀新聞」はコロナ禍とも関係している交通問題について的確な指摘をしていると思いました。その中から抜粋して感想を書きました。
◎地域共通の問題
「駅の無人化を進めるJR九州に対し、車いすを利用している同市内の障害者が「移動の自由を侵害された」として9月、損害賠償を求めて同社を提訴」したことを取り上げ、地域社会共通の課題だと指摘しています。
◎障害のある人を抜きにした対応では
JRによっては無人化が急速に拡大し、実施されているという。JR各社の実態が紹介されつつありますが、無人化した駅の連絡装置の問題などが明らかになっていない。障害のある人への説明がされていないように感じています。
最近の自動運転の課題も
自動運転の普及に伴う対応として「例えば都市内移動では、バスターミナルを市内のいくつかに設置し、その間は自動運転のバスで移動。到着後、ジャンボタクシーを相乗りして自宅や目的地に向かう方法が考えられる」と論説では提起しています。技術の進歩が障害のある人・高齢者を取り残していかないかと心配します。
アメリカでも [読書]
アメリカの大統領選挙の報道がありますが、実際の所、どういう仕組みで、どのように動いているのかよく分かりません。そこでテレビにもよく出られています中林美恵子教授の「
沈みゆくアメリカ覇権 ~止まらぬ格差拡大と分断がもたらす政治~(小学館新書)
- 作者: 中林美恵子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2020/10/01
- メディア: Kindle版
」という本を読みました。大統領の権限と議会の権限など少しは理解が広がりましたが、日本と仕組みの違いがあることは理解できましたが、州と国との機能の差異には理解できないことがあります。
アメリカのある世論調査では次のような結果だという。
「トランプ大統領の経済政策運営については、回答者の42%が否定的に費用化した一方、大統領の仕事ぶりが良い、もしくは極めて良いとの回答は35%だった」(「沈みゆくアメリカ覇権」)という。そして45%が家計の状況は「ほとんど変わっていないという。なのに一定の支持があります。今後良くしてくれるという期待があるのでしょうか。
次に、コロナ禍で明らかになったことがあると次のように指摘しています。
「新型コロナウイルスの感染拡大で明らかになったことの1つに、エッセンシャルワーカーとしてパンデミックの最中にも働かねばならない層にこそ、リスクと貧困がつきまとうことが、実際の死亡率やコロナ感染率として数字に表れた」(同前)。
なぜか歴史好き [歴史散歩]
10月26日の「ファミリーヒストリー」では爆笑問題の田中さんのルーツが福岡県小郡市(おこおりし)だという。歴史としても面白かった。
「コラム デスク日記 2020/10/26 西日本新聞 社会面 吉丸 宣孝
大の歴史好きだ。それだけに、史跡の案内板などに出くわしては足を止める。京都市内などを歩くとたまらない。目的地への途上で数々の“誘惑”に行く手を阻まれる。思いがけない歴史との出合いが、楽しい。
通勤途中にも発見がある。福岡市中央区天神3丁目。細い路地の電柱脇に石碑が立つ。「廣田弘毅先生生誕之地」。福岡市出身の初の総理大臣で、極東国際軍事裁判でA級戦犯として死刑となった。碑の左脇には「出光佐三書」とある。(以下略)」
博多には歴史を感じさせるものが多いですね。京都市内も凄いとよく耳にします。博多に来て最初に知ったのが国道3号線沿い(千代3丁目交差点そば)にある「 濡衣塚(ぬれぎぬづか) 」は、濡れ衣の語源となった悲劇の場です。
「廣田弘毅先生生誕之地」の碑から西側の親不孝通りの所には西郷隆盛が滞在した碑があります。このように注意してみていると結構あります。電柱に説明をしているところもあります。
公的な歴史資料館などが無料の講座などもやっています。「なんで歴史が面白いと」と尋ねられても説明できないのですが。
大義名分の前で [寛容な社会]
新聞の投稿欄にGOTOキャンペーンは「ヒマとカネ」がある人との格差社会を広げるだけだという意見がありました。景気刺激策についてはいろんな意見があるものだと思います。省庁の不手際もありというか、予算の分捕り合戦が優先したのか、危機管理に不安を残しました。それよりも、この際、経済を回していくという大義名分のもとに社会的な弱者に新たな犠牲を強いることになっていないかと思う。
例えば、JR各社で無人駅が急速に増えています。JRは「駅遠隔操作システム」で視覚障害者などの支援ができるというが使い勝手の悪さを指摘する声があります。また、運転手不足や人件費削減もしたいバス会社は自動運転バスの実験を始めたという報道があります。
無人化したバスは、お年寄りや障害のある人の利用に対する支援をどうするのでしょうか。コロナ禍の前にひれ伏す経済が一人歩きしているように見えます。
次のような指摘もあります。
「私はコロナ危機による変化が、民主主義を脅かす可能性もあると考えている。特に危険なのは、コロナ不況が世界中で『勝ち組』と『負け組』の間の格差を一段と広げることだ」(「パンデミックが露わにした『国のかたち』」熊谷徹)
自動運転バス [支え合う社会]
■自動運転バス
「西鉄自動運転バス『実現に期待』 北九州市で中型車実証実験」2020/10/23 西日本新聞 」だと伝えています。運転手の確保が困難というのが理由のようですが、例えば車いすの利用者への対応はどうするのでしょうか。電車の終電時間も早まりそうです。そして、無人駅が増えています。交通弱者対応策がないままです。
■コロナ対策
コロナ禍での政府対応の違いについて日独の違いを次のように述べています。
「私が2020年3月から6月にかけてドイツのパンデミックとの戦いを観察した際に感じた日本との最も大きな違いは、透明性である。これは日独の『国のかたち』の違いを象徴するテーマだ。メルケルの政策運営には、日本政府のコロナ対策にない『論理性』と「わかりやすさ」があった。」(「パンデミックが露わにした『国のかたち』」)という。
日本では、専門家会議の議事の記録がないというか、議事概要があるというのだが、後の検証に必要なものになっているのか。透明性に欠けるのではないか。GOTOキャンペーンなどの施策の検証はどうするのでしょうか。専門家会議の位置付けはどうあるべきか検証された結果なのでしょうか。
生活不活発病? [リハビリ]
「ICF(国際生活機能分類)の理解と活用」(上田敏著)という本を読んでいたら生活不活発病ということにふれられていました。ICFはリハビリテーションに関する基本となる考え方をWHOが採択したものです。そのなかで「活動」という概念があります。障害のある人の中には、「閉じこもりで外出しない、家の中でも何もしない」という生活になると活動量の低下につながるという。
自分の場合は量の問題もありますが質の低下があると思いました。上田氏は質の低下として次のような例を述べています。
「屋内はよいが、屋外を歩くことが不自由になったというようなことです。そのため近所にしか出歩かなくなり、距離や回数という、歩行の『量』も減ります」
私の場合、歩く距離が半減したのはどこかで倒れたりしないかと不安もありますが、身体能力が落ちています。室内で歩けば何回も断続的に歩けば歩数を伸ばす事ができます。あるとき、外を歩いたら近い距離なのに足に張りがでていました。外は、室内と違ってフラットの路面は少なく坂道もあります。室内では使わない筋肉があり、低下しているのだと思います。なるべく外を歩くことにしたいが・・・。
消える造語 [社会]
本の処分をしているのですが、読んだことさえ忘れている本が少なくないという塩梅です。目にとまった本を読み直したりして処分ははかどりません。「断捨離」も生き残るのでしょうか。そんなことを考えたのは10年ほど前に刊行された『逃げる中高年、欲望のない若者たち』(村上龍著)には次のように述べられています。
「草食系と肉食系という区分けも、まったくどうでもいいもので、単に面白がってそう名づけただけで、あと5年もすれば必ず忘れ去られ、またどうでもいいような新しい言葉が発見されて流通することだろう。きっと日本社会においては、『どうでもいいような象徴的な表現』が必要とされているのだと思う。勝ち組&負け組という言葉が必要とされたのは、小泉構造改革で露わになったさまざまな格差が、勝者と敗者を浮かび上がらせたからだ」
時代を反映した言葉もありそうです。この本のタイトル「逃げる中高年・・・」というのは今もって使われています。年金の不合理を指摘したのでしょうが。何か筋違いのような気もしますが。
苦い経験 [障がい者問題]
コロナ禍に対する各国の対応は歴史との関係もあるようです。
「ドイツ人が『命の価値』に関する議論をタブー視する背景には、ナチス時代の苦い経験がある。1939年にヒトラーは精神障害者や身体障害者を『生きるに値しない命』と決めつけ、各地に作った特殊施設に集めて一酸化炭素で殺害する『T4計画』を実行させた。約7万人の障害者たちが、『安楽死計画』とも呼ばれたプロジェクトによって抹殺された」(『パンデミックが露わにした「国のかたち」』)
そして「メルケルは続ける『パンデミックが教えていることは、我々人間がいかに脆い存在であるかということ、そして他の人を助けることがいかに重要かということです』」(同前)
我が国の指導者はこんなことを語ったでしょうか。「生きるに値しない命」として決め込まれたことで、すぐに浮かぶのは相模原障害者施設での19人の障害者が殺害されたこととして身近にあるようです。それは昔のことでなく、2016年7月のことです。裁判は終わりましたが、国民の中での議論もまた広がりませんでした。私などが知らない場所での地道な活動が続いているようです。例えば、コロナ禍では、救命措置のトリアージの論議が深まらないままでいいのだろうか。
ドイツは昔のことでなく、歴史的経過をふまえた発言を政治家がしています。歴史から学ばなければ過ちは繰り返されます。『T4計画』そのものも広く知られているわけではないと思う。日本で紹介されたのはNHK.Eテレで数年前のことです。