向田邦子さん [読書]
海坂藩(うなさかはん)は、藤沢周平の説に登場する架空の藩として有名ですが、「藩」というのは江戸時代には使われていたと思っていました。ところが『藩とは何か』の書評(2019年10月5日西日本新聞)によれば、当時は「国」とか「家中」と呼ばれていたという。藩というのは普通に使われていますが、本を読んで確かめようと思います。
今は亡き向田邦子さんは1929年11月生まれであり、ご存命であれば90歳だという。
「コラム 春秋 2019/10/3西日本新聞 オピニオン面 」では次のように紹介されています 。
「▼倉本さんの空想の中の“向田選手”は、前で直角に折り曲げた右手も、真後ろにピンと伸ばした左手も、「指先は律儀に揃(そろ)って」いて、頭には「豆絞りの鉢巻き」をしているそうだ。作品全体がつくる景色と重なる
▼1歳下のノンフィクション作家澤地久枝さんとは、夜遅くでも電話をし、「あなた、締め切りじゃない?」と言われると「いいのよ。番兵が立ってるけど」と長話をする仲だった。澤地さんは今も背筋を伸ばした言論を続けている。向田さんの「90歳の豆絞りの鉢巻き」姿を見たかった。(一部引用)」
脚本家の倉本聰さんは空想の中の向田邦子を語り、コラム担当者は「90歳の豆絞りの鉢巻き」を見たかったという。この秋に向田邦子さんの本が読めればいいが。聴力に加え、視力も衰え、読むのに集中する時間が短くなってきました。果たして・・・。
財布のひもが [消費税]
10月になっても暑い日々ですが、朝の散歩をしていると半そでシャツでは寒く感じました。秋は確実にやってきたと言えるのでしょうか。ある人は「秋がなくなった」という人もいます。テレビで福岡県筑後平野の大木町での菱の実の収穫の様子を伝えていました。クリーク(堀)を埋め尽くしたヒシは健在でした。まもなく秋も終わるのでしょうか。
生活を考えれば、冷え切っています。増税は財布のひもを締めるだけでしかない政策だと思います。3日の株価はアメリカ株の値下がりから大幅にダウンしたという。海外の影響が申告です。海外の政治状況は予測がつかない状態です。デフレに一直線なのか。
「消費税10%景気と暮しは デフレ脱却前リスクは大 元内閣官房参与 本田悦朗さん」
というインタビュー記事からです。
「―増税後の日本経済はどうなると予想するか。
「景気は悪化するだろう。増税後の駆け込み需要の反動減などは時間の経過とともに和らぐとしても、消費マインドが冷え込むことが一番深刻な問題となる。所得のうち消費に充てる割合を示す消費性向の低下は、約20年間のデフレを経験した日本の特有の問題だ。消費者の財布のひもがますます固くなる恐れがある」
「(略)今回は、増税前から 既に消費者や企業経営者のマインドが落ち込みつつあり、海外経済の先行きも不透明だ」
先人の知恵 [平和]
TBSの朝8時の情報番組が変わりました。司会者などが今人気の落語家になるなど「全面改装」という感じです。前の番組は視聴率が悪かったのでしょうか。さて、10月からこのブログのシステムが変更になっています。読まれる方には関係のない仕組みになってていますが、私などは少し入力したりしなければなりませんでした。それでさえとまどうのですからいつまで続けられるのでしょうか
2019年10月1日西日本新聞の投稿欄に「アフガンの知「水神」重なる 71歳」というのがあり、帚木蓬生氏の小説「水神」のモデルの5人の庄屋さんのことを紹介されています。
そうして作られた取水堰などがアフガニスタンで活動する中村哲医師によって工法が受け継がれたとも言われています。5人の庄屋さんは私財をなげうって実り多き地に変貌させたという。帚木蓬生氏が福岡県小郡市出身であることを知り読まれたという。私は『閉鎖病棟』など数冊を読みました。いずれも長編です。中村医師は精神科医としてスタートを切られ、
帚木蓬生氏は現役の精神科医です。因縁めいたものを感じます。
不自由とは [平和]
「表現の不自由展・その後」は関係者のご尽力で再開されるという。不自由で連想したのは精神科病院などで身体拘束が増えているということです。その用具の例を見ると、これでもかという具合に拘束されています。不自由というより虐待に近いようにさえ思えてきました。現場では人手が足りないなどの事情があるようですが、過酷な状態になってきているように思えます。精神障害者だけでなく認知症患者が増えていることもあるようです。
不自由展は、この国で不自由さが露呈していることを暗示しています。ただ縛られているだけではないのです。自分の意志が社会から拒絶されているのです。
不自由展は「あいちトリエンナーレ2019」の一部だそうです。3年に一度開かれる国際美術展覧会のことをトリエンナーレというそうです。
「自由とは、なんだろう 東 直子
「表現の不自由展・その後」という 展示がたつた3日で中止になり、大きな話題となった「あいちトリエンナーレ2019」に足を運んだ。多様なアート作品には、一人一人の示す新しい美、そして問いが込められていたように思う。例えば、ウーゴ・ロンディノーネの45体のピエロの彫刻作品は、呼吸音が聞こえてきそうなほどリアルで、うつむいて座るその身体から、生きる哀しみが滲んでいるように見えた。 又、プロジェクションマッピングなどの最新の技術を駆使した 映像作品は、閉ざされた部屋で身体に浴びているように見た。ほとんどの作品が撮影可能である点も嬉しい。 一方で、展示中止の決定への抗議として作品の展示を拒否した作家もいる。(以下略)」(2019年10月1日西日本新聞)
どういう展開を示すか 注目したいと思います。
消費増税は [消費税]
9月30日のテレビは30日の駆け込み需要を放送していました。前回の時は、駆け込み需要はもっと長かったのではなかったか。1日だけの、あるいは2日限りの駆け込みを放送するのはいかがなものか。
「消費税10%景気と暮しは デフレ脱却前リスクは大」という元内閣官房参与 本田悦朗さんへのインタビューが掲載されていました。
「―2012年から16年まで内閣官房参与を務め、安倍晋三首相の経済政策ブレ ーンとして消費税増税に反対してきたのはなぜか。
「経済状況が良くないからだ。政府は月例経済報告などで景気について『緩やかに回復している』との見解を示しているが、日銀短観などさまざまな指標で景況感の下降が既に始まって いる。増税の(景気を冷え込ませる)リスクは大きいとみている」(以下略)」(2019年9月26日西日本新聞)
鳴り物入りで唱えられたアベノミクスはどこに行ったのでしょうか。マスコミが広げた幻想も問題だと思う。1日の新聞には消費増税の効果という専門家の意見が大々的に載っていました。
やたらと予防が叫ばれる [介護]
「高齢者に「健康」を求める施策は優生政策につながらないか 小竹雅子(市民福祉情報オフィス・ハスカップ)」というのを『すべての人の社会』2019.9月号で読みました。(日本障害者協議会発行)
「優生思想、を学ぶときに、気になるのは介護保険が 提唱する「介護予防」です。2005年の改正で登場した介護予防事業(地域支援事業)は、サービスが必要と認定された人ではなく、「元気高齢者」を対象 に「介護予防」を呼びかけました。介護予防事業は 「一般介護予防事業」に再編され、今年3月、通常 国会で成立した改正医療保険法は、後期高齢者医療制度の保健事業を一般介護予防事業に合流させるとしました。」予防などがうまくいけば介護を避けられるのではないかと思いになります。ですが、介護が必要になるのは予防に熱心に取り組んでこなかった結果だと言われる可能性が高い。
「6月に閣議決定された 『認知症施策推進大綱』は、認知症の「70歳代での 発症を10年間で1歳遅らせる」という。認知症予防が努力目標です」(同前)では、審議途中に認知症は予防できるという誤ったメッセージを送ることになど批判され、撤回されたはずなのに、後の施策では先のような表現が残りました。認知症になるのは自己責任ということにされていくのではないか。
遺骨の行く先は [高齢者]
2019年9月26日西日本新聞の新聞投稿欄に「社会保障議論 若い年代不在 43歳」では、政府が設けた「全世代型社会保障」検討会議のメンバーに30代、40代の人たちを加えるよう求めています。
墓じまいが増えているというように遺骨の行き先は難しい問題になっているようです。
「遺骨を火葬場から持ち帰らない
そもそも遺骨を持ち帰るから置き場に困るのであって、火葬場から持ち帰らなければいいのではないと考える人も現れている。(略)
東京では、政策によって 火葬場と墓地が離れた場所に設けられ、遺骨は遺族がすべて持ち帰って墓地まで運ぶようになった。しかし、火葬場と墓地が隣り合っていた大阪では、隣の墓地にそのまま埋められるように遺骨のほとんどを火葬場に残し、一部だけを持ち帰っていたからだというのが通説だ。」(『さまよう遺骨』NHK取材班)
墓をどうするかとも深く関わっていますが、例えば、グループホームの利用した人の共同墓地が増えているという。縁故だけでなく、地域のつながりでの遺骨の行き先が決まってもいいのではないかと思います。それにしても、火葬場では必要な分持ち帰るのが普通だと思っていましたので驚きました。
優しい社会に [支え合う社会]
帚木蓬生原作の『閉鎖病棟』が映画化されたという。先日、毎日新聞が伝えたところによると「50年以上入院する精神疾患の患者数が、2017年6 月末時点で少なくとも1773人に達する」という。隔離収容政策の結果としても凄い。人生の大半を入院して過ごしている。先進国ではありえない状態と言えるでしょう。
2019年9月18日西日本新聞の投稿欄に「少しの勇気で 優しい社会に 18歳」として
ラッシュ時に車いすの男性が乗ってきた。揺れて不安そうだったという。すると一人の女性が車いすを持って揺れないようにしていたという。この行動に勇気をもらったという高校生の思いが語られていました。お節介に取られる可能性がありますが、この女性は動かすことの説明をしています。なかなかできないことだと思いました。
奴国の存在は [歴史]
朝ドラ「なつぞら」が終わりました。注目したのは柴田泰樹の老いと18歳で開拓を始めた境遇への共感です。多くの年寄りに勇気を与えたと思います。
みなさん承知の金印についての記事がありました。
古賀英毅氏の真贋論争を含めての解説記事で金印のことについて次のように述べています。
「金印は誰に与えられたのか
近年真贋論争が再燃している福岡市東区の志賀島で見つかった国宝「金印」。製作過程を検証する民間団体の実験で完成した再現品が披露されるなど何かと話題となり続けているこの印章は、そもそも一体誰に与えられたものなのか。専門家の間でも意見が分かれ、教科書的な「奴国王」に限らない見解もある。
伊都国王?
倭国王?
奴国王?
中国の歴史書「後漢書」には、紀元57年に「倭奴国」からやってきた使節に後漢初代皇帝の光武帝から印綬が与えられた、と記されている。(以下略)」(2019年9月23日西日本新聞)
ところが、奴国があったとされる春日市や福岡市博多区に1世紀の王墓が見つかっていないという。糸島市には伊都国があり、同時期の王墓があるという。それで専門家の間でも意見が分かれているという。邪馬台国の論争でも気になることがあります。百舌鳥古墳群がいつのまにか仁徳天皇陵として「復活」していることです。公式には世界遺産のなかでは使用されないのに、天皇陵にしたがる人たちがいるのでしょうか。そして、邪馬台国の存在も近畿説に傾いているように思えますが、考え過ぎなのでしょうか。