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時は流れるか

 



 



「『待つ』ということ」という鷲田清一氏の本を読みました。帯には「『待たない社会』そして『待てない社会』いつしか失った『待つ』ことの意味を問いかける」とあります。でも、待てないこともあります。「スピード感を持って・・・」という宰相のマスクは6月に入っても6割が届いていません。国民一人10万円の給付金では、オンライン申請に重大な欠陥があり、決してオンラインが便利なものだとはいえないことが分かりました。それでも、スピード感という言葉は使い込まれています。世の中にはSNSという便利な道具が行き渡っています。瞬時に今の思いを伝え、返事を待ちます。



 



鷲田清一氏の本では、「『待つ』ということ」には、時は流れないこともあるという。



 



「『時が流れる』とひとは言う。



 が、時とは、川の流れのように、かんたんに流れてくれるわけではない。



 たとえば、ぺしゃんこになるまで踏みつけられた、あるいはごそっと肉をえぐりとられ、としか言いようのない過去の出来事。ちらっと思い出しただけで軀ががたがた震えてしまう過去の傷。口では『過去の』と言っているが、それはほんとうは過去の出来事なのではない」



 



 時は生々しく過去を掘り出してくれる。それに苛むことがあるのだという。心当たりがあります。


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