『若い読者に贈る 美しい生物学講義』を読む
「若い読者に贈る・・・」のタトルに魅かれて買った訳ではありません。著者の更科功氏の『残酷な進化論』を読んだからです。生物学は最も苦手の部門ですが、『残酷な進化論』では、途中で読むのをやめるということはありませんでした。この本の最後の「死ななくては、自然淘汰が働かない。そして、自然淘汰が働かなければ、生物は生まれない。つまり、死ななければ、生物は生まれなかったのだ」ということに、理解しないままに納得したような気分になったからです。
「若い読者に贈る・・・」で気になったことのひとつが杉の話です。先日、縄文杉よりもっと背の高い杉を発見するテレビを観ました。屋久島にも発芽してから1年、2年ほどの段階で死んでしまう杉があるだろうと更科氏はいう。「スギの平均寿命は、おそらく1年以下のはずだ。スギより私たちヒトの方が長生きなのだ」という。縄文杉よりも高い杉の神秘性にひかれる人も少なくないはずだ。
帯には「全世代必読の1冊」とありました。