老いについて―5 (おわり) 永瀬清子短章集2より [読書]
「流れる髪 永瀬清子短章集2」より
「冬が来るとは
冬が来るとはどういう事か、
沢山の冬の思い出が来る事だ。
小さい時住んでいた家の勝手のあがり口の三角の板の間のつめたく凍るような肌ざわり。」
私の中では、かまどの前で火吹き竹を使っている母の姿と続く板の間の冷たさがよみがえってきます。
詩人は言う。「冬が来るという事は沢山の昔の冬が来る事だ」と。生きて来た証しとしての冬なのだ。さて、この冬を乗り切れるだろうか。未知の世界です。短章集は老いにも詩人のリアルな眼差しが感じられました。
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