犬の「効用?」 [高齢者]
我が家の柴犬が亡くなって3年を過ぎました。年寄りの常として自分で世話できるのも限界だとして今は飼っていません。さびしいものです。通りから犬の鳴き声が消えました。
ブレイディみかこ氏の体験です。本人はイギリス在住・親は福岡在住です。
「実は昨年、身近なところで犬の力を実感することが起きた。何を隠そう日本のわたしの実家の話だが、うちは母が重度の双極性障害であり、1年のほとんどの時期を寝たきり、というか、引きこもりの生活をしているので、家事そのほか家のことはすべて親父がやっている。
大酒飲みでたいへんマッチョな肉体労働者だったのに、人は環境しだいでリボーンするものである。家事はおろか銀行通帳がどこにあるのかも知らなかった70代のじいさんが清掃も料理も洗濯も本気でやり出した。母よりずっと丁寧で上手であり、家計簿まで几帳面につけて家計を管理している」(「ワイルドサイドをほっつき歩け」)
母に引きこもられた父は孤独だったという。年を考えると犬好きの父も新しい犬を飼う気にならなかったが、犬をプレゼントしたら、嬉々として世話し始めたという。おかあさんも部屋から出てくるようになったという。我が家の犬は18歳まで生きました。ある日、気づいたのは、犬と人間との関係も似通っているように思えました。かわいがる気持ちは同じようですが、「ベタベタ」できないのです。家族にも同じです。ひとり苦笑いしました。
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