人間の交流は [寛容な社会]
2月7日は「北方領土の日」だという。1855年2月7日に結ばれた日露通好条約という。
今年の直木賞受賞作『熱源』には樺太アイヌ人たちなどが自由に行来している様子が描かれています。アイヌという先住民がいたことを認めたくない人もいるようですが、法の中に先住民とあります。その実態が見えにくいのですが、『熱源』には、実在した人物を登場させています。
「国境を越えて地球の東西を横断したロニスワフ・ピウスヅキと、 赤道を越えて南北を縦断したヤヨマネクフの2人を軸にした、 壮大な物語」を構想したことを作者の川越宗一氏は記しています。(2020年2月7日西日本新聞)
「ブロニスワフ・ピウスツキ。ポーランド人流刑者、卓越せる民族学者。胸像の台座にはそんな説明か彫られていた。「どうしてこんなところにポーランドの人の銅像が?」興味深い違和感、としかいいようのない感覚をおぼえたぼくは、旅行からの帰路の合間あいまにネットでいろいろと検索した。彼が北半球を1周する壮大な人生を歩んだこと、白瀬矗の南極探検隊に参加した樺太アイヌのヤヨマネクフと交流があったことなど、曖昧な興味への回答には十分すぎる壮大な事実を知った」(同前)
樺太アイヌのヤヨマネクフは南極探検に同行しています。今、世界には排外主義が広まっています。人種差別もあります。〇〇ファーストという考え方があります。しかし、核兵器も、地球温暖化も、地球という小さな天体のなかでの出来事であり、国境を超えています。人類は次世代につなぐという使命を忘れたのでしょうか。人類は知恵を失ったのでしょうか。
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