「老いれば守る」 [高齢者]
村田喜代子氏の連載「この世ランドの眺め」を楽しみにしています。今回は「老いを歩む」です(2020年1月30日西日本新聞)。今年4月で75歳を迎えるというので私とは半年ぐらいの違いです。老化を感じてしまった出来事もあったという。老いは「できたことができなくなる」というか「失敗が増える」ということでしょうか。村田氏は1冊の本との出会いから次のように述べています。
「昨年末、書店で一冊の本を眼に止めた。竹中星郎著『精神科医がみた老いの不安・抑うつと成熟』とある題名が難しげで、机にそのまま置いていたのを、昨夜、手に取るやたちまち読みふけった。
著者は五十二歳で病院を退職し、後は月の半分を山暮らしと、後の半分を地域の病院で臨床医として老人を診た。内容は具体的で、例えば高齢者に、「自立」を強いてはならないという。老いれば守る。自然である。 「うつ病」と「認知症」の誤診にも触れて興味深い。恥ずかしながら老人といえば、私は「認知症」しか頭になかった。うつは日常生活の行動ができるが、アルツハイマーは食事・着替え・排泄が難しい。うつは場所・時間を理解するが、認知症はできない。うつの記憶障害は単に「心ここにあらず」なのだから、病気が回復するとおさまるが、認知症は脳損傷によるもので治らない。」
竹中星郎氏の本は読んでみたいと思いますが、年寄りのうつ病は分かるような気がします。何も考えずにしていたことが、動作を想定しての行動となり、やがてできなくなります。
記憶というか、脳の検索がうまくいきません。久留米市・女優とパソコンで検索して「吉田羊さん」にたどり着きました。重たいものが少しずつもてなくなっています。やがて行くつく先が見えているのです。うつもまた自己防衛なのかもしれません。治らない認知症に対して国は予防せよという。「老いれば守る」というのは贅沢な願いなのか。
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