裁縫箱 [生活]
「ことばの風景」を楽しく読みました。最終回は裁縫箱でした。母も、妻も、和裁の内職をしていましたので裁縫箱は欠かせません。母は、蚊帳づくりをしていましたのでミシンも同じ光景の中にありました。
「ことばの風景 樋口伸子 【さいほうばこ】裁縫箱
古い裁縫箱が出てきた。元は菓子の入った缶箱だが、老兵の貫禄で変色したり変形したり、開ければ ごちゃごちゃ玉手箱。布地に印を付けるチャコや 縫い針、指ぬき、トップが歯車状のルレットなど小物があれこれ。 戦後の街にできた教習所の一つが洋裁学校で近所にもあった。道具類は当時わが家から通った従姉や姉たちの忘れ物か。子どもにはいい遊び道具で指ぬきは人形ごっこの王冠に、 色とりどりの飾り飾り付き待ち針。(略)
くらしの根幹を家庭の衣食住に置いた時代の理想がしのばれる。やがて家庭から生活、くらしへとメディアの情報や用語にも時代の変遷をたどることができる。(略)
10年に少し残して、便利な慣用語に倣えば一身上の都合で降板を願い出ました。(以下略)
(詩人、福岡市)=おわり」(2018年9月18日西日本新聞)
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