注射 [自分史]
「ニュース川柳
・3選へ腹に一物持ち寄って
・今日もまた危険な暑さ命かけ
・天の声奈良にパンチの雨が降る
・潮受けの前でほぞ噛むムツゴロウ 」(2018年8月8日西日本新聞)
乙一さんの連載からです。
「かいじゅう タイムズ
七歳の息子が突然、犬になりたいと言い出した。犬になれば勉強しなくていいし、宿題もないからだ。まだ若いんだし進路を決めるのは早いとおもう。しかも人間を放棄するなんて。「犬になったらワクチンの注射をしなくちゃいけない」と言うと、注射がこわかったらしく人間を続けてくれることになった。 子どもは注射がきらいだ。大人になると注射針の痛みなんて無いに等しい。社会の荒波にさらされて受けた心の傷の方がよっぽど痛い。じゃあこれまでの人生で一番、痛かった記憶って何だろう。(以下略)」(同前)
身体的な痛みというと往診に来た医師が円形の大きな注射を取り出すと覚悟を決めないといけなかった。青みがかった注射器と長い針が思い出されます。そんなことより、敗戦の年に1歳にもならないときに後頭部にできものが出来たときにますいなしで切ったときが激しく泣いたと母が教えてくれました。その話を思い出しても「犬になりたい」などと思わないのが凡人の悲しさです。
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