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執拗な「自己責任論」を考える① [自己責任論]

障害者自立支援法の1割負担をめぐって

 

 障害者自立支援法が施行されて3年ほど経過しました。施行後、半年程度で応益負担(1割負担)への批判をかわすために、軽減措置がとられ、それでも批判は止まらず、次の年に追加措置がとられました。この間の軽減措置は財源不足だから支援費制度は行き詰ったとされた500億円程度の数倍の財源が投入されました。これまでとられた軽減措置は暫定的なものであり、いつ廃止されるか分からないものです。応益負担の本質は、障がい者福祉であろうと、自己負担なしにはサービス提供はできないというものです。それは、国際障がい者年以降、世界が共同で取り組んだ「完全参加と平等」に逆行し、現在進められている「障がい者の権利条約」の批准とも相容れないものです。

 最近、この応益負担についての行政不服審査請求が出され、却下されたら違憲訴訟をするということを書きましたら、「障がい者雇用をしなかった会社はお金を払っているのだから、障がい者も負担すべきだ」「高齢者も、他の国民も負担しているのだから障がい者だけ特別扱いは不当だ」という指摘が続いています。例えば、障害者自立支援法では、施設に働き行くのに1割負担が求められます。訓練だから負担は当然だという主張もあります。でも、障害者自立支援法の事業で最低賃金の適用を求められるものでも、1割負担になっています。さらに、視覚障がい者が外出のために必要なガイドヘルパーや、肢体不自由の人が自宅で生活するために不可欠なヘルパーでも、費用がいります。

 高齢者も負担しておるし、一般国民もいろんな負担をしているから、障がい者だけ免除するのはけしからんという主張があります。この人たちは負担のところだけを見ています。障がい者の収入について関心を持とうとしていません。障がい者の収入が国民の収入と同じであれば、さして、問題は出てこないのかもしれません。しかし、障がい者も包み込んでいく社会でなく、負担となる人間は排除していこうとする風潮が最も危険なことであることが指摘されていません。

企業が障がい者雇用をしなかったときに払うお金と、障がい者が負担するものが同質のものかということも改めて考えたいと思います

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 追記 コメントで意見をもらいましたが、障がい者雇用については、企業から雇用しなかったときの納付金もありますが、雇用した場合の報奨金や各種助成制度もあります。自己責任論を展開する人たちはこうした実態を無視して述べる人たちもいます。同じスタートラインにいないのに、意図的に並列に述べていることもよくあります
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鉄見

そうですね、私は三年間作業所に行きましたが若松からだと交通費だけで一日分の給料にもならなかったしまして
お昼に500円使えば給料より大変な金額を使った訳です!
ただ子供が中学生の時だったのでなんとか行けたのですが
高校になるとどうしても通えませんでした。
私達は一時間100円で普通に働いていたし別に何か
習った訳ではありません!若い頃は年金のことも解らず
病気隠してアルバイトして1ヶ月8万くらいありました。
1ヶ月一万で同じように働くのは大変です!
私達は普通に働けるのです。もっと色々なことを解って
もらえれば良いのですが・・・企業は国から障害者を雇うと
お金がでますがその金額は一万ではありません!
又雇わなかったら国にお金を払うようになっていますが
その金額はいくらでしょうかね?
by 鉄見 (2008-08-17 15:47) 

すずめちゃん

そうですね
報奨金も27000円程度あります

雇わなかった場合 1人につき月額50,000円の障害者雇用納付金を納付しなければならないこととされています。

by すずめちゃん (2008-08-18 14:40) 

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