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「ラッコの家」を読む [読書]

 

ラッコの家

ラッコの家

  • 作者: 古川 真人
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/07/31
  • メディア: 単行本

著者の古川真人さんのことが201996日西日本新聞で紹介されていました。福岡市出身だそうで、九州の方言がふんだんに手出来ます。「ラッコの家」の家には、表題作と「窓」が収められています。新聞の見出しには「優生思想への嫌悪感 心のトゲと向き合う」とあります。青年稔は、同居する視覚障害者の兄の生活の家事全般と勤務先への通勤の介助をしながら、生活費を兄に依存しています。相模原障害者施設の事件が起きます。そして、夢の中に差別される病を抱える隔離施設の話が出てきます。施設のポスターには「差別病ゼロは国民の助け合いから。こんにちは公助から共助へ――長崎県多様性尊重人権委員会」とあり、

 

稔は思います。「公助から共助へというのは、良い響きだ。助け合い。そのとおり」と思う。

助け合いはいいことだと言いながら、現実の政策のなかでも「地域共生社会」の名の下に公助から共助へと進路が決められて「全世代型社会保障」へと議論が始められています。十分な議論が望まれます。

「ラッコの家」の方言の説明に「いっちょん(わずかばかりも)」とありました。今でも口から出てくる言葉です。

 

日本障害者協議会発行の「すべての人の社会」9月号が届きました。「価値なきもの抹殺 優生思想」とあり、続けて高齢者に健康を求める施策は優生施策だとの指摘がありました。同意します。


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