「若いヤツは型にはめろ」 [支え合う社会]
自分より後輩の人をどう育てるかということをそんなに考えなかったと思う。その理由に
自分より有能な方が多かったこともあると思う。
「オピニオン 風向計 若いヤツは型にはめろ 経済部 井崎 圭
「若いヤツは徹底的に型にはめ込んだ方がいい」
ズバリ、そう言われ、一瞬あっけにとられた。
発言の主は、九州フィナンシャルグループの社長で、鹿児島銀行の頭取も兼任する上村基宏さん(66)。今年の経営展望についてインタビューした際、話題が若手行員の教育論に及んだ時のことだ。
この上村さん、新聞記者の間ではお堅い銀行マンのイメージを打ち破る存在として、その名が知れ渡っている。
東京勤務だった30代の頃、当時の頭取から今後の銀行について「革新的なことを考えてくれ」と言われ、アイデアを模索する中、いろんな人に会って話を聞くため、計1千万円ほどの交際費を自腹で捻出したという逸話を持つ。
自行以外の金融機関を巡る問題や政治に関する事柄であっても、思うことあれば歯に衣(きぬ)着せず切り込む直言居士である。それにしても、若いヤツは型にはめろ、とは…。ふに落ちない私を見て、上村さんは、こう続けた。
「古めかしいかもしれないが、銀行にはスタイル(固有のやり方)はあっても、ファッション(流行)はない。まずは型にはめ込まないと、型破りは生まれない」
若手を指導する立場の管理職に対しては、「徹底的に礼儀作法、倫理・道徳、銀行員としての正義を教え込め」と繰り返しているという。ある時、行員が提出した報告書に「取引先に○○するように指導した」と書かれた一文を見つけ、「何を上からモノを言っているんだ!」と激怒したこともあるとか。
ただ、これは上村さんなりの人材育成方法でもあるようだ。ギュウギュウと型にはめ込み続けていると、若手の側は、ついに我慢できなくなる時がくるらしい。
「その時、意外と面白いアイデアが生まれる。上司には『そのアイデアは絶対に殺すな』と言っている」そうだ。(以下略)=2019/02/05付 西日本新聞朝刊=」
先輩を見て大きくなっていく人を見るのも楽しいものです。なかにはいやみな人もいますが。
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