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てんかんのことが詳しく [読書]

 

 

『太陽を曳く馬』という高村薫氏の小説を上巻だけ読みました。

 

1被告訴人らは、東京都港区赤坂一丁目一一番一号の宗教法人霊南山永劫寺の副住職である。 告訴人らは、同寺従業員であった僧侶末永和哉(以下「和哉」という)の父母である。

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 3和哉は、平成五年慶応大学文学部を卒業後、株式会社電通に就職したが、平成八年に慈恵医大附属病院精神神経科で局在関連性てんかんとの診断を受け(11同年同社を依願退職した。その後一年間の通院治療の末、社会復帰可能な程度に病状が寛解したため(2)、平成一O年一月、かねてより同人の希望であった僧侶を目指し、永劫寺サンガの参禅寮へ入門した。」

単純部分発作は意識がある発作で、複雑部分発作は意識がなくなる発作だと理解してよいと思います。自動症があるのは複雑部分発作です。

 

10単純部分発作から複雑部分発作へ進行しつつあると診断(8)、慎重な経過観察が必要である として、同人に入院治療を勧めたが、同人は拒否した。また同月末、右田辺と被告訴人ら の三名が永劫寺において告訴人らと会い、和哉の現況や処遇について話し合ったが、結論は出なかった。

11 同年六月五日夜、和哉はサンガ僧堂内において僧侶十六名とともに定時の夜坐(O) に参加した。夜坐終了直後の午後九時五分ごろ、被告訴人らは和哉の姿が見えないことに 気づき、別院の内外を探したが発見に至らなかった。このとき同人は、施錠されていた永劫寺正門の門一扉を乗り越えて敷地の外へ出た可能性が高い。

12 同人は午後九時五分ごろ、同寺から五十メートル離れた六本木通の車道に飛び出したところを、東京都大田区平和島五丁目三番所在株式会社平和運送所有で同社従業員大川健二運転の冷凍トラック(4t)に援ねられ、即死した。和哉が時速五十キロで走行中のトラックの約十メートル手前に飛び出したため、大川はブレーキをかけたが間に合わなかったものである(9)。なお、現場は横断歩道のない幹線道路である。当夜の天候は雨であっ

た。また、和哉の着衣は黒の直綴(雲水衣)で、裸足であった。右大川は同日、業務上過失致死容疑で警視庁赤坂署に逮捕され、翌六日に東京地検に送致されたが、同月二十六日に不起訴処分となった。」

 

てんかんがある人が、それゆえに犯罪者ではないし、精神遅滞もそうです。

 

「雄一郎(刑事/引用者)は自問する。精神遅滞も、薬物中毒も、人格障害も、広汎性発達 障害も、異常性欲も、人が人を殺すことの説明にはならないし、逆に無垢であることの説明にもならない計算と、図形の並べ替えと、言語能力を測るいくつかの検査によって、被疑者の 知能を〈ふつう〉と〈ふつう以下〉に分けてみても、然り。親や社会の機能不全を指摘してみ ても、然り。そうしていったい四人の若者たちの何が、おまえたち警察に分かったか。」

 

ある精神障害者などが利用するグルーブホームが地域の反対に遭って開けないのは差別だとして行政に指導を求めたという。「親や社会の機能不全」をアピールしているとは思えない。それは構成の一部であることがあったとしても、全部ではないのでは。

 

 

 


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