ある日突然に [高齢者]
この季節、プロ野球では「戦力外通告」というのがあります。ホークスでもまだやれるのではないかと思われた選手もいました。トライアウトに参加したが声がかからず引退するという。働く者の権利など言える仕事ではない。
定年というのも「戦力外通告」のひとつと言えるのでしょうか。
ある日突然にと感じたのは、体力の低下があります。もともと低下していたのですが、今夏、あまりの暑さに散歩をやめていたら歩く力は落ちるし、体力が大幅に落ちました。ルームランナーを仕入れ室内での体力維持を図ったのですが、回復できないまま過ぎました。
こうならないためには、「気力に体力を引っ張らせる」ためにとりあえず予定を入れて出かけるのだという。
「気力に体力を引っ張らせる
大塚
これは私の体験ですが、自分の体に「疲れてるか?」「体調はどうだ?」と聞いてごらんなさい。体はいつも「疲れている、体調はイマイチだ。ちょっと休ませてくれ」と言う。そこで「そうか」と体の声を聞いて一日休ませてやるとしましょう。二日目に「もう回復したかな」と体に聞くと、「まだ疲れが残っている。もう少し休ませて欲しい」というので従ったとする。ところが三日目になるともう体力が落ちて動く気力もなくなってるんですよ。
阿川
ハハハ。怠け心が定着しちゃうんですね。で、そのまま動かなくなって、寝たきり老人にまっしぐら。
大塚
そうです。若い頃は体を休ませ、体調を良く保つことで気力充実といった感じ でしたが、七十五歳を過ぎたら、体の言うこと聞いて楽させたらもう終わり。体が何と言おうと、気力に体力を引っ張らせることこそが大切ですよ。予定があるならとにかく出かけましょう。そうすれば、まだ体のほうはついてきますから。百五歳で亡くなった聖路加国際病院の日野原重明先生は、取材でも講演でも、依頼はほとんど全部 引き受けておられたようです。そうすれば、その日、その時間になったら、とにかく そこへ行かなければならない。その用件が終わったあとはグッタリになったとしても、 翌日にはまた予定が入ってるから行かなきゃいけない。だから、もつんですよ。一旦楽させたら、もうダメなんです。立ち直れない。」(『看る力』)
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