一人暮らしの高齢者 [高齢者]
「コラム 一人暮らしの高齢者 気になりますか?2018年1月30日読売新聞
こんにちは、慶成会老年学研究所の宮本典子です。
高齢者は、超高齢社会のいちばん先をいく人たちです。共に生きやすい社会をつくることは、次の世代の未来をつくることになると思いませんか?
ご近所さんに、83歳の女性がいます。夕方になると元気に銭湯にでかけていくその方は、一人暮らし。銭湯通いは、家のお風呂掃除をしなくて済むのと、近所の友達に会えるからよいの、と楽しそうに説明してくれたことがあります。
その女性の住むアパートの上階には、やはり高齢の男性が1人で暮らしています。週末には、窓の外の物干し 竿(ざお) に、1週間分の洗濯物が大きさ順に並びます。あまりに美しく干されているので、近くを通る時は見上げずにいられません。
私の家の周りには、こんなふうに、いきいきと一人暮らしをしている高齢者がたくさんいます。でも、社会は、高齢者の一人暮らしを「問題」としてとらえることが多いようです。
本当は高齢者も1人で暮らしたい
肝心の当事者はどう思っているのでしょうか?
一人暮らしを「よし」と思っている高齢者は、実は少なくありません。たとえば、私が立ち会った高齢者のグループインタビューでは、 「家族に気兼ねをしなくてよいから、ラク」
「子供たちに『迷惑をかけているなあ』と思いながら暮らすより、ずっとよい」 「起きたいときに起きて、寝たいときに寝て、食べたいときに食べられる――幸せ」 「他人のペースに合わせると、体が疲れてしまう」 ……という意見が続きました。
こうした思いを裏付ける調査もあります。
一人暮らしの高齢者を対象にした意識調査(平成26年度、内閣府)によれば、「これから誰と暮らしたいか?」という質問に対し、「このまま一人で暮らしたい」と答えた人が全体の76.3%を占め、第1位。第2位の「子」の割合は13.4%で、大きく引き離していました。(以下略)」
ひとり暮しの人たちにとって快適ですが、周りの人にとっては心配や厄介な存在として見られがちではないでしょうか。それは、社会での高齢者との交流が少ないからでしょうか。
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