出生率を言う前に [社会保障]
「ペシャワール会 人道支援の力にも注目を
■安全保障を考える■
歴代内閣が「できない」と判断してきた集団的自衛権の行使をめぐる憲法解釈を、安倍晋三首相は閣議決定で変更しようとしている。もし実現すれば、戦後の安全保障政策の一大転換となる。まさに国民的な議論が必要である。
安倍首相は「現在の憲法解釈では、紛争国から逃れようとするお父さん、お母さん、子どもたちが乗っている船を自衛隊は守ることができない」などと訴える。
一方で、安倍首相とは全く逆の考え方を主張する人もいる。
アフガニスタンで医療活動や灌漑(かんがい)水利事業などの人道支援を30年間続けている非政府組織「ペシャワール会」(事務局・福岡市)の現地代表を務める中村哲さんだ。
日本が集団的自衛権を行使すれば「海外で邦人が危険に巻き込まれる恐れが高まる」というのだ。中村さんは1984年、アフガン国境に近いパキスタンのペシャワルでハンセン病患者などの治療活動を始めた。現地でアフガン難民の悲惨な生活を知り、医療支援を続けながら飲料水確保のため現地の人たちと井戸掘りも行った。
農作物の作り方を教え、灌漑用水路の建設にも取り組んだ。その成果で農地が復活し、多くの難民も戻ってきている。
この間、同会のスタッフが武装グループに拉致され、殺害されるという痛ましい事件もあった。
だが、中村さんは「日本人だからという理由で標的にされたことはない」と断言する。日本は海外で軍事行動をせず、平和を尊重する国だとの意識が現地で浸透しているからだ。「戦争の放棄」などをうたった憲法9条の存在が国際社会での日本の立場を高めているという。傾聴に値する主張だ。
中村さんのように、人道支援を通じて現地に根を張り、信頼される日本人は世界各地にいる。そんな活動をいわば下支えしてきたのが憲法であり、集団的自衛権の行使を禁じてきた憲法解釈ではないのか。多様な意見に耳を傾けて、冷静に判断する必要がある。
=2014/06/02付 西日本新聞朝刊=」
集団的自衛権にのめり込む政治家の2世.3世の議員たち。そして、少子化対策のために出生率の目標まで言い出す始末です。だが、現実は次のようなものです。
「(声)薄給で結婚できない子どもたち 74歳 2014年6月2日朝日新聞
44歳の息子と39歳の娘がいます。2人とも未婚です。結婚できない一番の原因は、長時間労働と低賃金にあるのではないかと思います。
2人とも給料の話などしませんが、偶然、2人の給料明細を見てびっくりしました。共に民間会社の正社員ですが、基本給は10万円そこそこなのです。東京に住む息子が生活できているのは、残業代が出るのと寮に入っているからです。会社では中堅で、海外へ販売にも行きます。それなのに安い給料なのです。
息子はこれまでに2度、結婚相談所に行きました。月給を話すと、渋い顔をされたそうです。「俺は結婚を諦めた」と息子は言います。朝早くから夜遅くまで働いて、やっと自分の生活を支えているのが現状です。それなのに、数万円のボーナスが出ると、私たち夫婦に小遣いをくれるのです。
娘の生活は、兄以上に大変なようです。弁当を作って生活費を切り詰めています。仕事の責任は重く、長時間労働なのに残業代は出ません。お金と時間、心のゆとりがあって結婚に結びつくと思いますが、娘には全てが欠けています。(以下略)」
普通に働いていて給料で結婚を諦めないといけない国では・・。
コメント 0