ここにも自己責任論が [自己責任論]
昨日の朝日新聞投書に「個人で入れる雇用保険望む」というのがありました。臨床心理士の妻で非常勤3箇所の掛け持ちで生活しているということです。それだと、雇用保険の加入要件の緩和などの改善とは無関係になるとしています。雇用保険という呼称は失業保険という呼び名に私たちの世代は慣れています。失業時のセーフティネットだったのですが、失業手当をあてにして働こうとしないという論理で「雇用保険」に呼びかえられました。ここでも、失業を個々の責任にしたいという発想があり、企業の責任を問われたくないという考え方が色濃くあります。
先の投書は「国民年金が自営業のための制度であるように、まじめに働く労働者が何らかの形で失業手当が受けられるようにしてもらえないでしょうか。」という至極真っ当な要望です。さらに「いつ切れるか分からない不安定な職種を選ぶのがいけない、と言われても戸惑いを覚えます」とも述べています。こうした無益な自己責任論が出てきて喜ぶのは誰でしょう。「ある自治体の臨床心理士の募集要項は『犯罪被害者の心のケア月給10万で15 万円』でした。」としています。こうした仕事に対する不当な評価の低さも問題ですね、
だが、この仕事の質をどう評価するかもあるのかもしれないと思いました。臨床心理士の一人が書いた本に病院でのクレーマーが増えたのは「患者様」と呼ぶようになったからだと述べていました。お客様扱いにしたからだということです。だが、「患者様」と呼んでくださいと患者サイドが要請したのでしょうか。結果の分析だけでは小手先だけになってしまうように思いましたが。
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