『十二人の手紙』の中の「第三十番札所善楽寺」が提起したもの~【その1】 [作業所]
先日、NHK『目撃 にっぽん』で天文学者の鳴沢真也氏のことを放送。多分、再放送ではないかと思いますが。若いときに引きこもりを経験し、「みんな違って みんないい」を座右の銘としているようです。最近、鳴沢氏の『宇宙人の探し方』という本を読んだばかりで印象に残りました。
井上ひさし氏のこの小説は1978年6月に刊行されています。舞台は高知市の「つばめ共同作業所」です。小説としてはいろんな伏線がありますが、当時の「共同作業所」の在り方を示していて障害者問題の観点からも興味深く読みました。あくまでも個人的な感想ですので理解不足があると思います。
①「共同作業所」を舞台とした意味
「つばめ共同作業所」は1978年以前には設立されていたはずです。1977年に共同作業所の全国組織・「共同作業所全国連絡会」(現在・きょうされん)として16の共同作業所でスタートしています。いずれにしろまだ共同作業所が少なく、さほど知られていない状況下の共同作業所を舞台にしたことの意義は大きいと思います。
他の団体では「福祉作業所」とか単に「作業所」という名称が大きい中であえて「共同」としたのはどういう意味があるのでしょうか。
今の「きょうされん」がめざすものとして4項目が挙げられています。そのひとつが。
「3.わたしたちは、地域における共同の事業や運動をすすめ、障害のある人びとが生きがいと誇りをもてる社会をめざします。」
「つばめ共同作業所」が開設されたころは、どこからの補助金もなく、無給の職員さえいました。作業所側はバザーなどで資金を得るしかありませんでした。さらには、障害者のことを理解してもらうことにも力を入れていきます。そして、障害者・職員の作業所から、障害者家族・地域の人たち・ボラティアなどの輪が広がり、行政の補助金獲得などの成果を得ていきます。
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