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有明海は時間をかけて汚された [環境]

 

 

「【耕運記】有明海再生 森と里と海「連環」が鍵」(20140521日西日本新聞)で、干拓事業だけでなく、開発中心の行政の流れで駄目にされてきたことが確認されるいい記事でした。そこから引用します。

 

「 福岡、熊本、佐賀、長崎4県に囲まれた有明海。特徴は「濁り」にあり、それが「宝」を育んできたという。京都から研究に通い続けて35年、京都大名誉教授の田中克(まさる)さんは「やっと本質が見えてきた」と語る。

 島原半島と天草に外海への出口を挟まれた閉鎖性の強い海域が、ムツゴロウなど特産種をはじめ多様な魚介類と漁業生産をもたらした。その命の源は九州最大の河川、筑後川と国内の40%に及ぶ広大な干潟にある。1990年代以降、変わり果てた。「瀕死の海」となった主な要因を田中さんは三つ挙げる。」

 

私の田舎では、毎日のように有明海の魚売りの人が来ました。有明海でいう「くっぞこ」は靴底に似ている魚としてされていますが、どこでもそう呼ばれていると思っていました。

 

田中氏は有明海の機能の衰えには3つの要因があるという。

「筑後川から大量に砂を採取してきたこと。」

「河口から23キロの筑後大堰(ぜき)」

「97年の諫早湾の潮受け堤防と干潟の埋め立て」

砂は、コンクリート工事で使用されたのだと思いますが、川砂を取り尽くし、今は海砂になっています。川に続いて海が壊されています。

 

大堰は一時期話題になりましたが「85年から福岡県南、福岡都市圏などの水道水を取水している。筑後川には上流の九重・阿蘇山系から火山性の鉱物粒子が流れ込み、真水と海水の混じる河口の汽水域で互いに凝集する。大きくなった粒子の周りにはプランクトンの死骸やバクテリアなどが付着する。これが濁りの正体。この「栄養豊富な濃厚なスープ」(田中さん)は、稚魚やその前の仔魚(しぎょ)の餌となるアミ類や動物プランクトンの栄養源だ。豊富な魚介類を育んできた連鎖の基盤が、大量の取水によって崩れたわけだ。」

こうした問題が半端な形で終わったことが、潮受け堤防を許したのだと思う。

 

「三つの要因に共通するのは、人間の暮らしや産業活動が森と海のつながりを分断したことだ。田中さんは森から海への多様なつながりをひもとく学問を「森里海(もりさとうみ)連環学」と名付け、有明海再生の基本理念と位置付けた。つながりを取り戻すために「海は共有財産」という意識改革を流域や都市の住民に訴える。」

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自然のしっぺ返しでしょうか。


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